「ChatGPTに勧められたので予約しました」美容外科クリニックで増加するAI経由の来院。その裏にある“地道な”勝因とは?

今回は美容外科クリニック様の成功事例についてご紹介します。
先日、SEO対策を担当させていただいている美容外科クリニック様へ、定期報告に伺った際のことです。
成果レポートで、AIOの引用が増えてますとご報告すると、院長先生より「最近、『ChatGPTで相談したら当院を紹介されたので予約しました』というような患者さんが少しずつ増えているんですよ」と非常に興味深いご報告をいただきました。
Webサイトへのアクセスだけでなく、実際の「予約(コンバージョン)」に繋がっている──。 これは、生成AIが単なる検索ツールを超え、ユーザーの意思決定に深く関与し始めていることの決定的な証拠です。
なぜ、数あるクリニックの中から、AIはこのクリニックを選んで紹介したのでしょうか? 調査を進めると、そこには特別なテクニックではなく、長年積み重ねてきた「地道な取り組み」の成果が、はっきりとデータに表れていました。
目次
【証拠】データで見る「AIからの評価」
まず、実際にChatGPT経由のアクセスが増えているのかを検証しました。 以下は、当該クリニックのGA4のデータです。

ご覧の通り、ChatGPT経由のセッション数が増加傾向にあることが確認できます 。
しかし、ここで一つ重要な注意点があります。 ツール上で「ChatGPTから来た」ということは分かっても、ユーザーが具体的にどんな質問(プロンプト)を入力したのかまでは、分析ツールでは決して分からないという点です。
「美容外科 地域名 おすすめ」だったのか、「実績があるクリニック 小顔整形術」だったのか。 ユーザーがAIに投げかけた「質問」を知り、その答え合わせをする唯一の方法は、やはり現場での「ヒアリング」しかありません。
このAI分析のブラックボックス問題とヒアリングの重要性については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

続けて、SEOツールAhrefsを用いてAIO(AI Overviews)の引用状況を調査したところ、AIOが回答を生成する際にこのクリニックの情報を参照した回数が「279件」にものぼっていました。
【分析】なぜAIに好かれるのか?AIOのデータが示す勝因
では、なぜこのクリニックはAIに選ばれるのでしょうか? そのヒントを探るため、Googleの生成AI検索「AI Overviews(AIO)」での表示状況を、SEOツールAhrefsを用いて調査しました。
すると、AIOの回答を生成する際にこのクリニックの情報を引用・表示した回数が「279件」にものぼることが判明しました。 ChatGPTとGoogleのAIOは異なるシステムですが、AIが信頼する情報源には共通点があります。
279件の内訳を分析すると、その勝因が見えてきました。
【Ahrefs 対象ドメインにおけるAIOの引用数】

▼ AI引用数(279件)の内訳
- メニューページ(施術詳細):136件 ★最多
- 院長執筆・監修記事:73件
- 用語集:40件
- ブログ記事:26件
このデータから、AIOにおける3つの重要な勝因が見えてきます。
1. 「メニューページ」の網羅性が評価された(136件)
引用数の約半数を占めたのが、トップページやブログではなくメニューページ(各施術の紹介ページ)でした。
このクリニック様とは長年、単に「美容外科 地域名」といったビッグワードだけでなく、「〇〇法(具体的な施術名)」や「〇〇 修正」といった具体的な施術名でのSEO対策に注力してきました。
ユーザーがGoogleで「〇〇 施術内容」「〇〇法 ダウンタイム」などと検索した際、施術の内容・料金・リスクまで網羅されたメニューページが、AIにとって「回答を作成するための最適な情報源」として選ばれていると考えられます。
2. 「院長執筆・監修」による信頼性が評価された(73件)
次に多かったのが、院長先生自らに執筆・監修いただいたコラム記事です。
GoogleのAIOも、情報の正確性を担保するため、誰が発信した情報か(E-E-A-Tにおける「権威性・専門性」)を重要視します。もちろん院長監修記事においても、ターゲットキーワードの設定や入れるべき要素などはSEOの観点から確認・摺合わせを行い実施をしており、SEOでも上位表示されています。
お忙しい中、院長先生にご協力いただき医師の視点で専門的な解説記事を発信し続けてきたことが、SEOだけでなくAIからも「信頼できる情報源」という評価に直結したと考えられます。
3. 「用語集」による知識ベースの提供(40件)
意外に見落とされがちなのが「用語集」です。 ユーザーが「〇〇とは?」といった検索を行った際、AIはその定義を説明するために、用語の意味が明確に書かれたページを好んで参照します。コツコツと更新してきた専門用語の解説が、AIの学習データとして機能していたのです。
用語集やFAQなど疑問に対して簡潔に説明している一問一答式のコンテンツは、SEOだけでなくAI検索にも相性が良いということが推測できます。
地道なSEO対策が最強のAI対策に
今回の事例で感じたことは、「AI対策(AIO)=特別な技術」ではないということです。
- ユーザーが知りたい「施術ごとの詳細情報」を網羅する(メニューページ)
- 専門家(医師)としての「正しい知識」を発信する(院長監修記事)
- 業界の言葉を正しく定義する(用語集)
これらは全て、私たちが長年Google検索に向けて行ってきた「王道のSEO対策」そのものです。
検索エンジンに対して、そして何よりユーザーに対して誠実にコンテンツを作り続けてきた結果、それが今、AIOでの引用やChatGPTからの流入という形で、AIからも選ばれるサイトという評価に繋がっています。
まとめ
「AIに紹介されるようになりたい」 そうお考えなら、まずは自社のWebサイトを見直してみてください。
人間が見て役に立つ、信頼できるサイトを作る。 結局のところ、これほど強いAI対策はありません。
しかし、「そもそも今、自社サイトはAIにどう評価されているのか?」は、通常のアクセス解析だけでは見えにくい部分です。
そこで、S&Eマーケティングストアでは、AI検索エンジン(Google SGE/AIO)における掲載状況や、AIからの評価を分析する『AI検索(LLMO/GEO/AIO)診断レポート』をご提供しています。
今回の事例のように「AIに選ばれるサイト」を目指すための第一歩として、まずは現状の診断に是非ご活用ください。

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