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代理店を変更すれば広告成果は改善する?乗り換える前に整理したいこと
Web広告の成果が思うように伸びない状態が続くと、「今の広告代理店を変更した方がよいのではないか」と考えることもあるでしょう。
実際に、広告代理店の運用方針や担当者の対応に問題があり、代理店を変更することで成果が改善するケースはあります。
一方で、広告成果が悪化する原因は、必ずしも代理店の運用だけにあるとは限りません。
市場の変化や競合の増加、商品・サービスの訴求力、ランディングページ、問い合わせ後の営業対応など、さまざまな要素が広告成果に影響します。原因を整理しないまま代理店を変更すると、新しい代理店でも同じ問題が繰り返される可能性があります。
今回は、広告代理店の変更を検討する際に確認しておきたいポイントについてお伝えします。
目次
広告成果が悪い=代理店に問題があるとは限らない
広告代理店の変更を検討する前に、まず押さえておきたいのが、「広告成果が悪いこと」と「代理店の運用に問題があること」は、必ずしも同じではないという点です。
Web広告の成果は、広告の設定や運用だけで決まるものではありません。広告を取り巻く市場環境や、広告クリック後のページ、商品・サービスそのものなども大きく影響します。
市場全体の検索需要が減少している
検索広告では、自社の商品やサービスに関連するキーワードを検索しているユーザーに広告を配信します。
そのため、市場全体の検索数が減っている場合、広告の設定を大きく変えていなくても、表示回数やクリック数、問い合わせ数が減少することがあります。
季節によって需要が変わる商品やサービスでは、繁忙期と閑散期で成果に差が出ることも珍しくありません。
検索需要そのものが減っている状態で、代理店を変更したとしても、すぐに問い合わせ数が元に戻るとは限りません。
競合の増加でクリック単価が上昇している
同じキーワードへ広告を出稿する企業が増えると、広告枠の競争が激しくなり、クリック単価が上昇することがあります。
予算が変わっていない場合、クリック単価が上がれば獲得できるクリック数は減ります。その結果、コンバージョン数が減少したり、CPAが上昇したりする可能性があります。
競合状況の変化は、広告代理店だけでコントロールできるものではありません。予算や配信範囲、訴求内容を含め、現在の市場に合わせて戦略を見直す必要があります。
商品・サービスの価格や訴求力に課題がある
広告で多くのユーザーをサイトへ集めても、商品やサービスが競合と比較される中で選ばれなければ、問い合わせにはつながりません。
たとえば、競合より価格が高いにもかかわらず、その理由や価値が伝わっていない場合、ユーザーは他社を選ぶ可能性が高くなります。
広告文やターゲティングの改善で一定の効果は期待できますが、商品内容や価格、強みの見せ方に課題がある場合は、広告運用だけで解決することは難しくなります。
LPやフォームでユーザーが離脱している
広告のクリック数は安定しているにもかかわらず、コンバージョン数が減っている場合は、ランディングページや問い合わせフォームに問題がある可能性があります。
ページの内容が広告文と合っていない、スマートフォンで読みづらい、問い合わせまでの導線が分かりにくい、入力項目が多すぎるといった状態では、せっかく広告をクリックしたユーザーも途中で離脱してしまいます。
また、フォームの不具合や電話番号の誤表記など、技術的な問題が原因となっている場合もあります。
広告代理店がLP改善まで対応しているかどうかは契約内容によって異なります。成果が悪いときは、広告設定だけでなく、クリック後のページまで含めて確認することが大切です。
問い合わせ後の営業対応で失注している
広告管理画面上では問い合わせが発生していても、その後の連絡が遅かったり、商談時の提案が十分でなかったりすると、売上にはつながりません。
また、問い合わせ数が増えていても、営業対象外の問い合わせが多い場合は、広告のターゲットや訴求にズレがある可能性があります。
広告代理店が確認できるのは、基本的に問い合わせが発生するところまでです。商談や成約の状況が共有されていなければ、広告上では成果が出ているように見えても、実際の事業成果とのズレに気付けないことがあります。
広告の良し悪しを判断する際は、問い合わせ数だけでなく、商談化率や成約率、売上まで確認する必要があります。
まずは広告成果が悪化した原因を切り分ける
「広告成果が悪い」といっても、どの数字が悪化しているかによって、考えられる原因と必要な対策は異なります。
代理店を変更するかどうかを判断する前に、まずは成果が悪化した場所を切り分けてみましょう。
表示回数やクリック数が減っている場合
広告の表示回数が減っている場合は、検索需要の減少、予算不足、配信地域や配信時間の変更、広告ランクの低下などが考えられます。
表示回数は変わらないもののクリック数が減っている場合は、クリック率が下がっている可能性があります。競合他社の広告が増えた、広告文の訴求が弱くなった、ユーザーのニーズが変化したといった原因も考えられます。
この場合は、広告の配信状況や検索需要、競合状況など、ユーザーがサイトへ訪問するまでの部分を確認する必要があります。
クリックは獲得できているがCVが減っている場合
クリック数が大きく変わっていないにもかかわらず、コンバージョン数が減っている場合は、コンバージョン率の低下が考えられます。
広告とLPの訴求が一致しているか、ページの内容や問い合わせ導線に問題がないか、アクセスしているユーザーが想定しているターゲットと合っているかを確認します。
広告の運用設定だけでなく、LPの変更履歴やフォームの動作、商品・サービスの条件変更なども確認したいポイントです。
CVは発生しているが商談や成約につながらない場合
コンバージョン数やCPAが目標どおりでも、商談や成約につながっていない場合は、問い合わせの質を確認する必要があります。
対象地域外からの問い合わせが多い、個人向けサービスに法人からの問い合わせが入っている、採用や営業目的の連絡が含まれているなど、求めている顧客とのズレが起きている可能性があります。
この場合、広告代理店へ問い合わせ内容を共有し、どの広告や検索語句から質の低い問い合わせが発生しているかを確認することで、改善につなげやすくなります。
一方で、広告経由の問い合わせ自体は適切でも、その後の対応に課題がある場合は、社内の営業フローも含めて見直す必要があります。
CPAは悪化しているが売上は維持できている場合
CPAが上がっていると、広告成果が悪化したように見えます。しかし、CPAだけで代理店変更を判断するのは早いかもしれません。
たとえば、問い合わせ数は減っていても、成約率や顧客単価が上がり、売上や利益が維持できている場合があります。
反対に、CPAが下がっていても、成約しにくい問い合わせばかりが増えているのであれば、事業全体では成果が良くなっているとはいえません。
広告の評価では、コンバージョン数やCPAだけでなく、その後の商談、成約、売上まで含めて確認することが大切です。
代理店を変更した方がよい可能性があるケース
広告成果の悪化が、必ずしも代理店の問題とは限りません。
しかし、成果を改善するために必要な分析や提案、コミュニケーションが行われていない場合は、代理店変更を検討する理由になります。
成果悪化の原因や改善方針について説明がない
成果が悪化した際、単に「市場が悪い」「競合が増えた」「もう少し様子を見たい」と説明されるだけでは、十分とはいえません。
市場環境の変化が原因だったとしても、どの数値からそう判断したのか、その状況に対して何を行うのか、いつまで検証するのかを説明する必要があります。
成果が悪いことそのものよりも、原因や今後の方針が分からない状態が長期間続いている場合は注意が必要です。
レポートが数値報告だけで終わっている
広告レポートに表示回数、クリック数、コンバージョン数、CPAなどが記載されていても、数字を並べただけでは、次の判断につながりません。
なぜ数字が変化したのか、どのキャンペーンに課題があるのか、今後どのような改善を行うのかまで説明されていることが重要です。
レポートは過去の結果を確認するだけでなく、次の施策を決めるための資料でもあります。毎月同じ形式の数値だけが送られ、改善に関する説明がない場合は、運用体制を確認した方がよいでしょう。
改善施策が長期間ほとんど実施されていない
広告運用では、毎日大きな変更を行えばよいわけではありません。
特に、自動入札や機械学習を活用している場合は、変更後に一定期間データを蓄積し、結果を見極める必要があります。
ただし、「学習期間だから」という理由で、長期間ほとんど分析や改善が行われていない状態は別です。
検索語句や配信先、予算配分、広告文、クリエイティブ、コンバージョン設定など、確認できる項目は複数あります。施策を実施しない場合にも、なぜ変更しないのかを説明できることが重要です。
自社の事業や顧客について理解しようとしない
広告運用では、管理画面の数値を見るだけでなく、広告主の商品・サービス、顧客、商圏、利益構造などを理解することが重要です。
同じ問い合わせ1件でも、商品によって売上や利益、成約までの難易度は異なります。
事業内容を十分に確認せず、一般的な施策だけを繰り返している場合、広告上の数字は整っていても、事業成果につながらないことがあります。
担当者が自社の事業を理解しようとしているか、質問や提案の内容から確認してみましょう。
問い合わせ後の商談・成約状況を確認していない
広告管理画面上で確認できるコンバージョン数だけを見ていると、質の低い問い合わせが増えていても、成果が改善したと判断される可能性があります。
どの問い合わせが商談や成約につながったのか、対象外の問い合わせがどの程度あったのかを確認することで、広告のターゲットや訴求を改善しやすくなります。
問い合わせ後の状況を一度も確認されない場合は、広告上のCPAだけが運用目標になっていないか確認した方がよいでしょう。
担当者との連絡や対応に継続的な問題がある
質問への返信が極端に遅い、依頼した変更が反映されない、担当者によって説明が変わるといった問題が継続している場合も、代理店変更を検討する理由になります。
広告運用では、市場や事業の変化に応じて、広告主と代理店が情報を共有する必要があります。
一時的なミスだけで判断するのではなく、改善を求めても同じ問題が繰り返されているかどうかを見ることが大切です。
すぐに代理店を変更しない方がよいケース
広告成果が悪化しているからといって、すぐに代理店を変更することが最善とは限りません。
現在の代理店が原因を分析し、改善に向けて適切に動いている場合は、一定期間検証を続けた方がよいケースもあります。
配信開始から十分なデータが蓄積されていない
広告配信を開始した直後は、成果が安定しないことがあります。
配信期間が短く、コンバージョン数も少ない状態では、特定の数日や数件の結果に大きく左右されます。その段階で代理店や運用方針を変更すると、何が成果に影響したのか判断しにくくなることがあります。
また、Web広告は一度設定して終わりではなく、配信結果を確認しながら仮説を立て、改善施策を実施し、その結果を検証するというPDCAを繰り返して成果を高めていくものです。
商材や広告予算、コンバージョン数などによって必要な期間は異なりますが、こうした改善のサイクルをある程度回したうえで運用を評価することを考えると、ひとつの目安として運用開始から3ヵ月程度は見た方がよいでしょう。
もちろん、明らかな設定ミスや大きな問題がある場合は早急な対応が必要ですが、配信開始から短期間で目標CPAに達していないという理由だけで代理店変更を決めるのは慎重になった方がよいでしょう。
市場環境や季節要因による一時的な悪化である
繁忙期が終わった、長期休暇に入った、競合が一時的に広告出稿を強化したなど、市場環境によって成果が変動することがあります。
過去にも同じ時期に成果が下がっていないか、検索需要や競合状況に変化がないかを確認しましょう。
季節性による悪化であれば、代理店を変更しても同じ影響を受ける可能性があります。
LPや商品面の課題が明確になっている
広告からのアクセスは獲得できているものの、LPの内容やフォーム、商品価格などに明確な課題がある場合は、まずその改善を優先した方がよいことがあります。
現在の代理店が課題を指摘し、具体的な改善案を提示しているのであれば、代理店変更よりも、広告主と代理店が協力して改善を進める方が効率的です。
広告代理店によって、LPやWebサイトの改善をどこまで支援できるかは異なります。広告運用だけを契約している場合は、課題を指摘されても、実際の修正は広告主側で別途対応しなければならないケースもあります。
S&Eパートナーズでは、広告運用の数値だけを見るのではなく、LPやWebサイトに課題があると判断した場合には、「どこを、どのように改善すべきか」というご提案から、実際のサイトへの反映までご依頼いただくことが可能です。
広告の運用改善だけでは成果向上が難しい場合にも、広告からLP・Webサイトまで一連の導線を確認しながら改善を進めていくことができます。
改善案は提示されているが検証途中である
広告文の変更、ターゲットの見直し、予算配分の変更などを行った直後は、効果を判断するための期間が必要です。
改善案の目的や評価指標、検証期間が明確になっている場合は、結果が出る前に代理店を変更するよりも、まず検証を完了させた方が判断しやすくなります。
ただし、期限を決めずに「様子を見る」状態が続くのは避けるべきです。何を、いつまで、どの指標で判断するのかが共有されているかを確認しましょう。
広告主側から必要な情報を共有できていない
広告代理店は、広告管理画面上の数値だけでは、問い合わせ後の結果を把握できません。
どの問い合わせが商談になったのか、どの商品が売れたのか、どのような顧客が対象外だったのかといった情報が共有されていなければ、改善できる範囲は限られます。
また、価格変更やキャンペーン、営業エリア、在庫状況など、事業上の変更が伝わっていないことで、広告とのズレが生じる場合もあります。
代理店の対応だけでなく、自社から必要な情報を共有できているかも振り返ってみましょう。
新しい代理店を選ぶ際に確認したいポイント
代理店を変更することになった場合は、単に知名度や料金だけで判断するのではなく、現在の代理店で何が課題だったのかを整理し、新しい代理店がその課題を改善できるかを確認することが大切です。
特に、広告の管理画面上だけではなく、実際の事業成果まで見据えて改善を考えてくれるかどうかは、確認しておきたいポイントです。
広告管理画面以外の課題にも目を向けているか
広告成果は、広告設定だけではなく、LPやフォーム、商品、営業対応などの影響も受けます。
すべての改善作業を代理店が担当する必要はありませんが、広告以外の課題にも気付き、必要な指摘や提案を行えるかは重要です。
広告設定だけを変更し続けるのではなく、成果を阻害している場所を広く確認できる代理店かどうかを見極めましょう。
商談率や成約率まで含めて成果を考えているか
コンバージョン数やCPAだけでなく、その後の商談や成約、売上まで含めて成果を考えているかも確認しましょう。
問い合わせの質を改善するには、広告主からの情報共有も必要です。そのため、商談状況や成約状況について、どのような形で連携するのかを事前に決めておくことが大切です。
広告管理画面上の数字を整えることではなく、事業成果を伸ばすことを共通の目標にできる代理店が理想です。
代理店変更は「誰に任せるか」ではなく「何を改善するか」で判断する
広告代理店の変更は、成果を改善するための有効な選択肢の一つです。
しかし、広告成果が悪化した原因を整理しないまま代理店を変更すると、新しい代理店でも同じ課題が繰り返される可能性があります。
まずは、表示回数、クリック数、コンバージョン率、CPA、問い合わせの質、商談率、成約率などを確認し、どこで成果が悪化しているのかを切り分けることが大切です。
そのうえで、現在の代理店が原因を分析できているか、改善方針を説明しているか、自社の事業や顧客を理解しようとしているかを確認しましょう。
代理店を変更する場合も、「今の代理店が何となく不満だから」という理由だけではなく、次の代理店に何を改善してほしいのかを明確にしておく必要があります。
大切なのは、代理店を変更することそのものではありません。
広告運用、LP、商品・サービス、営業体制などを含め、成果を妨げている課題を見つけ、改善できる体制をつくることです。
S&Eパートナーズでは、現在の広告運用に関するご相談や、広告アカウントの運用状況診断も承っています。
「代理店を変更するべきか判断できない」「現在の運用に改善できる部分がないか確認したい」という場合は、代理店変更を前提とせず、まずはお気軽にご相談ください。
アカウントディレクター荒木
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