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投稿日 : 2026/10/01

海外で注目される「インクリメンタリティ」とは?CPAだけでは測れない広告効果


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海外で注目される「インクリメンタリティ」とは?CPAだけでは測れない広告効果

Web広告では、CPAやROAS、コンバージョン数などの指標をもとに、広告の成果を評価するのが一般的です。

しかし近年、海外のマーケティング業界では、こうした従来の広告指標だけではなく、「インクリメンタリティ(Incrementality)」という考え方が注目されています。

インクリメンタリティとは、簡単にいうと「広告を出したことで、どれだけ成果を上乗せできたのか」を測る考え方です。例えば、広告経由で100件のコンバージョンが発生したとしても、そのすべてが「広告によって生まれた成果」とは限りません。

その理由は、広告を見ていなくても購入していたユーザーが含まれている可能性があるためです。そこで重要になるのが、「その広告がなかったとしても、その成果は発生していたのか?」という視点です。

この記事では、海外で注目されているインクリメンタリティについて、その基本的な考え方から、CPA・ROASとの違い、広告運用への活用方法まで解説します。

海外で注目される「インクリメンタリティ」とは?

インクリメンタリティとは、「広告を出したことで、どれだけ成果を上乗せできたのかを測る考え方」です。
例えば、広告を見たユーザー1万人と、広告を見ていないユーザー1万人がいたとします。

それぞれのコンバージョン数が、

  • 広告を見たグループ:500件
  • 広告を見ていないグループ:400件

だった場合、単純化すると、広告によって追加的に生まれたコンバージョンは100件と考えられます。

この「広告があった場合」と「広告がなかった場合」の差を見ることが、インクリメンタリティの基本的な考え方です。

なぜCPAやROASだけでは広告効果を測りきれないのか?

CPAは「1件のコンバージョンを獲得するために、いくら広告費がかかったか」を表す指標です。

例えば、広告費を100万円使用し、100件のコンバージョンを獲得した場合、CPAは1万円です。

広告運用では非常に分かりやすい指標ですが、CPAだけでは「その100件が広告によって生まれたのか」までは分かりません。

例えば、すでに商品を知っているユーザーが広告をクリックして購入した場合を考えてみます。

そのユーザーは、「広告を見て商品を思い出したから購入した」可能性もありますし、逆に「広告を見なくても自然検索など別の経路から購入していた」可能性もあります。

後者であれば、広告経由のコンバージョンとして計測されていても、広告によって新しく生まれた成果とは言い切れません。

米国の消費者・市場データ企業NIQも「ROASはインクリメンタリティとは異なる」と指摘

NIQは、2026年7月の記事「How Brands Can Measure Incrementality and Prove Retail Media Impact」の中で、インクリメンタリティを「特定の広告費によって、そうでなければ発生しなかった売上」という考え方で説明しています。

この記事では、ラストクリックやデータドリブンのアトリビューションは「購入がどのように発生したか」を説明できる一方で、「なぜその購入が発生したのか」までは十分に説明できないとしています。

つまり、CPAやROASだけでは分からない、「広告によってどれだけ成果を増やせたのか」という視点を加えることが、インクリメンタリティの重要なポイントです。

参考記事:How Brands Can Measure Incrementality and Prove Retail Media Impact(NielsenIQ)

海外でインクリメンタリティが注目される背景とは?

インクリメンタリティが海外のマーケティング業界で注目されるようになった背景には、広告を取り巻く環境の変化があります。

これまでのWeb広告では、CPAやROAS、コンバージョン数などをもとに、広告の成果を評価するのが一般的でした。

しかし現在は、検索広告、SNS広告、動画広告、リテールメディアなど、ユーザーが広告に接触する場所が増え、ユーザーの購買行動も複雑になったことで、こうした指標だけでは「広告が本当に成果を生み出したのか」を判断しにくくなっています。

広告に接触する機会が増えている

例えば、SNS広告を見る → 商品名を検索する → Webサイトを見る → 後日、指名検索から購入するというように、複数の接点を経てコンバージョンに至るケースもあります。

このようにユーザーの購買行動が複雑になると、「最後にどの広告がコンバージョンを獲得したか」だけでは、広告全体の効果を判断しにくくなります。

「広告経由の成果」と「広告によって生まれた成果」は同じではない

インクリメンタリティが注目されるもう一つの理由が、広告経由で発生した成果と、広告によって新たに生まれた成果を区別する必要があることです。

例えば、すでに商品を知っていて購入意欲が高いユーザーが、検索広告をクリックして購入したとします。この場合、そのコンバージョンは広告経由の成果として計測されます。

しかし、そのユーザーは広告を見なかったとしても、自然検索や直接アクセスなど別の経路から購入していたかもしれません。

つまり、「広告経由でコンバージョンした」=「広告によってコンバージョンが生まれた」とは限りません。

この違いを考えるために、「広告を出した場合」と「広告を出さなかった場合」で、成果にどれだけ差が生じたのかを見る必要があります。

広告費を増やすほど「本当に成果が増えたのか」が重要になる

広告運用では、CPAが良好であれば予算を増やし、CPAが悪化すれば予算を抑えるという判断をすることがあります。

しかし、広告費を増やしたことでコンバージョン数が増えたとしても、そのすべてが広告によって新しく生まれた成果とは限りません。

例えば、広告費を100万円から200万円に増やしてコンバージョンが100件から150件になった場合、「50件増えたから、広告費を増やした効果があった」と考えることができます。

一方で、広告を増やさなかった場合でも120件のコンバージョンが発生していたのであれば、広告費を増やしたことで追加的に生まれた成果は30件だった可能性があります。

このように、広告費に対してどれだけ成果が発生したかだけでなく、「広告を増やしたことで、どれだけ成果が上乗せされたのか」を考えることが重要になっています。

そのため、インクリメンタリティは、CPAやROASなどの従来の広告指標を置き換えるものではなく、広告による本当の効果をより深く考えるための視点として注目されています。

インクリメンタリティを広告運用にどう活用する?

では、実際の広告運用ではインクリメンタリティをどのように測定すればよいのでしょうか。

Google広告にもインクリメンタリティテストを実施できる「コンバージョン リフト測定」という機能があります。

Google広告の「コンバージョン リフト測定」とは?

Googleは公式ヘルプで、コンバージョン リフト測定を「インクリメンタリティを測定するためのツール」と説明しています。

コンバージョン リフト測定では、対象となるユーザーを以下の2つに分けて、その後のコンバージョン数を比較します。

  • 広告を見たグループ(テストグループ)
  • 広告を見なかったグループ(コントロールグループ)

この2つのグループのコンバージョン数を比較することで、広告を出したことでどれだけ成果が増えたのかを測定できます。

【注意】すべてのGoogle広告アカウントで利用できるわけではない

コンバージョン リフト測定は、すべてのGoogle広告アカウントで利用できるわけではありません。

Google公式ヘルプでは、利用する場合はGoogleのアカウント担当者への問い合わせが必要とされています。

引用:Google公式ヘルプより「コンバージョン リフト測定について」

また、ユーザーベースのコンバージョン リフト測定には、一定のコンバージョン数などの要件があります。そのため、まずは自社の広告アカウントが利用条件を満たしているかを確認したうえで、実施を検討する必要があります。

まとめ|これからの広告運用は「成果を獲得したか」から「成果を増やしたか」へ

インクリメンタリティとは、広告によって追加的に生まれた成果を測定する考え方です。

CPAやROASは広告運用において重要な指標ですが、それだけでは、「その成果は、本当に広告があったから生まれたのか?」という問いに答えることはできません。

海外では、広告市場やリテールメディアの拡大に伴い、広告費に対する成果だけではなく、広告によってどれだけ追加的な売上・コンバージョンを生み出したのかを測定する重要性が高まっています。

これからの広告運用では、「CPAが安い広告」だけを見るのではなく、「広告によって、本当に事業成果を増やせた広告」という視点を持つことが、より重要になるでしょう。

海外で進んでいるこのような広告効果測定の考え方を取り入れることで、管理画面上の数字だけに依存しない、より本質的な広告運用につなげることができます。

S&Eパートナーズでは、広告媒体の数値だけを見るのではなく、クライアントの事業成果を踏まえたWeb広告運用を行っています。Web広告の成果改善や広告運用についてお悩みの方は、ぜひS&Eパートナーズへご相談ください。

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この記事の筆者

Google広告やSNS広告を中心に、データ分析をもとに課題を見つけ、成果改善に向けた施策の立案・実行を行っています。 お客様の事業や商材への理解を大切にしながら、一つひとつの数値変化の背景を考え、売上やお問い合わせの増加につながる広告運用を心掛けています。

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